「せいや!」
— { } 太郎 (@toby_net) February 19, 2016
ダウンロード拳法、一の突きが刺さった。見た目は、たった一発のパンチだ。
しかし、その地味さは、バックグラウンドでのダウンロード開始合図だった!
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
かわす動きに気を取られ、相手は、ワーカーからのリクエストを見逃した。
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
拳の直線上に置いていないはずの肉体は悲鳴を上げていた。遅れて、相手は、大気に流れるトラフィック、プロセスの鼓動を感じとれていた。
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
侮ったばかりに、相手の肉体は今や /tmp/ZfbtaD.foobar と化していた。
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
あなたによると、一の突きはジャバの基本なのだという。恐るべしダウンロード拳法!
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
命まではとらないとばかりに、一時ファイルとして転生した相手は、再起動するまで活用されることとなった。
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
「ダウンロード拳法、見させてもらったぞ」
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
「何やつ!」
「先手必勝!せいや!」
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
「フフフ……」
拳は突き刺さったものの、あなたは感触を感じていなかった。
「馬鹿な!一の突きが…」
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
あなたは、素早く3hopほど退くと、面妖な老人から距離をとっていた。
ほんの 200msec のことである。
(こいつ、まさか目が不自由なのか)
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
「その通り!拳による陽動など私には聞かぬ。一の突き、やぶれたり!」
勢い虚しく、老人は倒れた。
懇親の一撃は、老人の隅々を破壊するには十分であった。
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
「恐るべき相手であった。こちらが修練を怠っていれば、あるいは、相手が頑丈であったならば…」
老人の体を、マイナンバー対応程度に shred しながら、あなたは考えを巡らせていた。
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016
勝負には勝ったが、ジャバでは負けた。そんな言葉が頭をよぎったのだった。
『ケンカ・ジャバ 放浪記』より
— { } 太郎 (@toby_net) February 20, 2016