紅いずきんの女

「おばさん、おあばさんの耳は、どうしてたくさんあるの?」
「それはね、ウェブサイトを作っているからだよ」
「?」

— ソフトウェア開発 (@toby_net) April 26, 2016

おばあさんは、暖炉にまきをくべると、パソコンに向かいます。

「みなさい。参考サイトを開くたび、耳がふえるの。」
「わあ、すごい。」

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「おばあさんは、たくさん耳を開いてサイトを作っているのね。」
「そうだよ。おばあさんはたくさん耳を開くの。」

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「おばあさんは、ジャバはやらないの?」
「そ、そッ」
おばあさんはうつむき、一瞬、何かを飲み込んだかと思うと、また顔をあげました。

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「おばあさんはね、ジャバスクリプトというのをやっているの。」
「へー。」
「ジャバとは違うのよ。」
「ジャバとは違うのね。」

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「おばあさん、ジャバとジャバスクリプトは何が違うの?」
「……。」

おばあさんは、じっとうつむいたまま、動作を停止しています。

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おばあさんは再び動き始めました。

「おばあさん、ジャバはよく知らなくてね。でも、ジャバスクリプトなら知ってるよ。」

そういうと、おばあさんは参考サイトを開き始めます。

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参考サイトをひらくたびに、おばあさんの耳はどんどん増えていきます。

「おばあさん、そんなに耳を増やして大丈夫なの?」
「心配しなくていいのよ。おばあさんはね。メモリをたくさん積んでるの。」

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しかし、あるサイトを開いたときでした。おばあさんは突然、消えてしまいました。

「おばあさん……?」

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「おばあさん、どこ?……おばあさん!!」

夕方になっても、おばあさんは帰ってきませんでした。

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ーーそして、16年がたったある日。女が瀕死の男の胸ぐらをつかんでいた。

「お前、プロセスキラーを知っているか?」
「し、知らねえ! そんなやつあ知らねえ!」

隆々とした肉体の女に、かつての面影はない。

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「だ、だ、だからよお。知らねえったら!助けてくれよ!」

失禁。

「……ふん。閉まらねえやつだな。」

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女は、ドスッと男を下す。男の足が地面についた。
ライフルを肩にかついだ女は、いずこかへ歩き出したのだった。

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『紅いずきんの女』 より抜粋

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「今日はここまで。」
「おばあさん、続きは?」
「続きは明日にしましょうね。 」

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「えー。つづき聞きたい。ポストアポカリプス、聞きたい~。」
「はい、はい。はやく寝ないと、プロセスキラーがやってくるよ。」

おばあさんは、ライフルをかまえる真似をすると、男の子はベッドにもぐりこんだのでした。おしまい。

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ゼンマイ・ジャバ協会推薦!

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7歳の頃に山奥に監禁、プログラミングを教えられ、物心ついたときにはジャバプロジェクトに参画していた少年プログラマーの話は、また今度。

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