10分でわかる!Vim入門

「おい、あれ、Vimmerじゃね?」
「やべえ、Vimmer が .vimrc せおって出てきた…」

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 20, 2017

「おめえ、誰に断って Vim 立ち上げてんだ? 」
肩に相手のエディタがぶつかる。
「…」
「ああん? 聞いてんのか? Vimmer さんよ?」

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「アニキ、やっちまおうぜ」
「いや、まて。相手は Vimmer だ」
「かまうこたぁ、ねえって。やつは hjklで移動できるだけさ。」
「ダメだ! おめえは、Vi と Vim もついてねえ!」

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「アニキ、俺が .vimrc と .gvimrc の区別もついてねえって!?」
「いや、そこまでいっちゃいねえ…だが…」

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振り向いたモヒカン男。その設定ファイルが、あごに当たった。
「…」
「あっ… やべアニキ…」
「お前!…いや、これは、これは、うちのバカが申し訳ありません 」

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モヒカンの一人がアニキと呼ばれるもう一人の腕を掴み、小声で話し始めた。

「(こんなやつに、謝るこたぁねえって、Vimmer ですぜ?)」
「(バカやろう!ぶつかったら謝るのは一般常識だ!)」

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「アニキ、もう、やめましょうや」
「おい、聞こえるぞ!」

「…」あなたは顔色一つ変えず、モヒカンらをじっと見つめる。

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あなたが仕事に戻ろうと CTRL-Z を押そうとした時、小指がモヒカンの腹を直撃した。

「オボァ…」 アニキと呼ばれていた方のモヒカンは、ぐったりと倒れた。

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「Te, Te, Te, LaTeめえ! アニキに何のシグナルを送りやがったんだ!?」

「俺は、だ、だい、No problem...」CTRL-Z を喰らったモヒカンの兄は、SIGTSTP を処理したのか、片膝をつき、かろうじて口を開いた。

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血管が最大限まで膨れたモヒカンの弟は、またたく間にターミナルを開くと、kill コマンドを打ち始めたようだっだ。ようだった、というのは、実際の端末には k までしか打たれていなかったのだ。

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「オッ、オッ、オボボボボォ…」 モヒカンの弟は、七色に光るログを放出しながら、コアダンプしていた。

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あなたは、ただ、仕事を始めるため Vim を起動、ちょうど CTRL-[ に手を伸ばしたところだった。そのあまりの自然な動きは、モヒカンに千手観音のような残像を見せていた。

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モヒカン弟は薄れ行く意識の中、ジャケットの内ポケットに手を伸ばした。

「ジャバ」

ジャバ音が鳴り響く。

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あなたはジャバ音を聞いてか、ほんの少し手を止めたが、またすぐにコマンドラインウインドウへと目をやった。いつものやつか、と言わんばかりに、仕事のコードを書き始めた。

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「public static void main … 」カタカタと静かなオフィスに、打鍵音が響く。

「…なーんてな。 Vim でジャバしてどうする。」 あなたは、一人で笑うと、誰も見ていないよな、とあたりを見回した。

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モヒカン二人の死体が転がっているが、あなたの目には入らないのか、再びあなたは笑いはじめた。

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ようやく静かになり、集中できると言わんばかりに、オフィスにはリズミカルな打鍵音が響き渡るのであった。

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『10分でわかる!Vim入門』より抜粋

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 20, 2017

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