マストドン連合 放浪記
こちら火星のマストドン・サーバー、20分遅れでトゥートが届いているようです
今、光っているあの星は、200万年前に爆発したマストドンサーバーだよ
人類破滅の原因といわれるマストドンサーバーを調査すべく、各地に点在するデータセンタ跡地へ向かった。
「まだマストドンの反応が1つある」
「おかしい、この辺りのデータセンターは全て爆破したはずだが…」
「どうやら自宅サーバーで運用されていたものがあるようだ」
ドカッ、蹴破られる民家のドア。
「武器を捨てろ! 抵抗しなければ何もしない」
「おい、マストドンはどこだ」
中年男性「ま、ま、まってくだせえ。なんのことだかサッパリ」
「言いたくなければ、探すだけだ」
「見つかりました!マストドンのサーバーです」
中年男性「チッ、見つかったものは仕方ねえ」
「おい、抵抗するな!」
中年男性は銃口を手の甲で押すと射線上から身体を外した。銃声。
空いた手で、腰のルビーを抜くと、すかさずレールズを隊員の喉元に当てた。
音もなく倒れる隊員。
「これより、マストドンを破壊する。オイ…返事をしろ」
サーバーを発見した隊員が連絡を入れる。だが、もう一人はすでに虫の息だった。
中年男性は落ち着いた手つきで端末を開いた。
何やら呪文のようなコマンドをうつ男性。
「サーバーをアタック・モードにセット…」
「マストドン・アタック・モード、ニ、移行シマス」
「な、何だ!?」サーバーから突如発っせられた声にひるむ隊員。
パオ―ッというけたたましい音量が部屋に響く。
次々にトゥートがタイムラインから発射された。その数、毎分60000トゥート。
肉片と化した隊員。
「これじゃあ、食えないな」
もう一人、レールズにより絶命した隊員のバッグをあらると、機械のようなものが見つかった。
「…どうやら今年の来客は当たりらしい」
機械はマストドン探知機であった。
自宅のマストドンを動かし続けるには、修繕するための予備パーツが必要であった。
近隣のデータセンターは爆破されているようだが、隣の区にはまだ生きたマストドンが残っている。
中年男性は、自宅のサーバーをメンテナンスモードに切り替えた。
そして探知機を持ち、旅立っていった。
『マストドン連合 放浪記』より抜粋
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