特ダ課.ZIP

「そのとき折れた剣に添付されていたのが、例の zip のパスワードだ。見たとおり片方はここにある」
「もう片方の剣は!?」

「…… GZ。 やつが持っている」
「…!? 」
「結局は、T.A.R. を解体しなくてはいけないのか」

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

「T.A.R.」 。古来より、社会のインフラを支えてきたバックアップ組織。 「テープ」が使われていた時代には存在していたという。

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

「T.A.R.」は、表向きは、「アーカイバ」と呼ばれる組織の契約社員を使い、社会においえ失われたデータの復元活動を行っている

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

「T.A.R. の恐ろしさはあなたが体験したとおりだ」
「ええ。我社のデータは、復元と同時にすべて《バックアップ》されてしまいました」

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

「ファイル共有サーバーに残っていた パスワード付き zip だけは、無事だった、つまりそういうことだったな」
「そうです。あなたの zip パスワードが添付された剣が必要なのです」

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

「あなた様。お疲れ様です。zip パスワードが添付された剣をゆずっては頂けないでしょうか。よろしお願いいたします。」
「ダメだ。その代わり、俺も行こう。以上、要件のみにて失礼いたします。」
「(入力中…)」

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「あなたにそこまでしてもらわけにはいけません!予算が…それにお客さんに聞いてみないと!」
「生ぬるい! そんなことでは、あなたも T.A.R. の一部にされてしまうぞ!」
「了解」

あなたが加わった。

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あなたとあなたのやり取りを見る影があった。『特殊ダウンロード犯罪捜査課』(以下、「特ダ課」)のスカラである。

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

気が付かれぬよう、ジャバボタンを押したスカラは、ジャバジャバ言わせながら、一輪のバイクにまたがった。音もなく青白い残光を残し、スカラは次の目的ちへ向かうのであった。

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『特ダ課.ZIP』より抜粋

— トビーネット (@toby_net) April 17, 2019

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