「お頭、こりゃちょっとやりすぎじゃあ」
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
「これは戦争じゃあない、ジャバ活動だ」
フードの男は手に持った紅いボタンを押下する。
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
爆発。フードの隣の人間は、耳をふさぐ。
押下されるたびに起こる爆風。たなびくフード。
そこに長髪のスーツが立ちはだかる。
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
「もうやめろ!やりすぎだ。これ以上、ジャバを重ねるな」
「……。俺はただダウンロードしているだけだ」とフード。
「ここは2016年じゃない。今やそのダウンロード行為は違法だ」
「いずれ特ダ科が到着するぞ! その前に……」スーツが興奮した抑揚で叫ぶ。
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
「その前に、今すぐダウンロードだ」
「お頭、特殊なんとかが来る前にずらかりやしょう」
「あなたに付き合っている暇はない」フードは手元のボタンを押下し続けた。
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
複数の爆風が巻き起こり、三人の間を煙が包んだ。
「ゴ、ゴホッ。… ひでえや、お頭あ」
「いくぞ。ダウンロードは成った。十分だ。帰還する」
「どこだ!まて」
爆音を消す音が踊り場に響く。階段を登る一輪のバイク。エレベータなど無用とばかりに、傾斜を駆け上がる。上階からは煙。吹き付ける粒子をものともせず、青いフルフェイスが顔をのぞかせる。ウィリーとともに、階段という概念を二、三、飛ばす。登り切った先は、フードのいた階であった。
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「特ダ科のスカラ、現場に到着シタ」
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
「おい特ダ科!遅いぞ!」
フルフェイスからの機械音声に、すぐスーツは呼応した。
「やつはもう行ってしまった」
「どこへダ」
「過去に決まってる。2016年だ!そこからやつらは来たんだ」
「2016年。少し遠いナ。行ってクル」
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
「おい!待て! 上の許可なしに……」
「帰りは遅くなりマス、警視ドノ」
敬礼。
煙の残る中、廊下を一輪のバイクが爆走。突き当りを左へ右へと曲がる。直線の向こう、漏れる光の先にガラスのフロア。爆音の後から、割れ、飛び散る破片。車体のフレームが青く光り、ジャバマシンが稼働する。向かう先はテラス。目前のガラスが割れる直前、青い残像を残し、一輪は消え去った。
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その頃、廃屋にて端末を見守る二人がいた。
— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年4月6日
「お頭、2016年に帰ったとおもってやすぜ……」
「2016年は危険だ。2038年でしばらくやり過ごす」
フードと「ヤスぜ」なまりは、立ち上がった。尿意をもよおしたのか、ゆっくりトイレへと歩き出した。
『特ダ科 事件簿』 より抜粋。