「頼もう!」 ダメージド学ランに、カットされた学帽を被った人間が現れた。
— ドーナツの穴 (@toby_net) March 8, 2017
「ど、どちらさまですか?」
「破りの者だ!」
「(??) ここは、キャリアカウンセリング室ですが…」
「キャリアカウンセリング破りだ!」
「…モシモシ 守衛室ですか。今、変な人間が…あっ」(ピッ)
— ドーナツの穴 (@toby_net) March 8, 2017
学ランは、応対者から内線電話をとりあげると、「切る」ボタンを押した。
震える対応者をよそに、学ランは話を始めていた。
「守衛が来るのも時間の問題。話は手短にさせてもらう。」
「キャリアカウンセリング勝負だ!」
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「(??)…あの、一つお伺いしてよろしいでしょうか」
「あっ、ハイ」
「あなたは、実務経験は何年ほどおありですか」
「…… 」
「もしかして、今日が始めて?」
「……」
「……今日はこの辺にしといてやる」。 学ランは学ランを脱いでは肩にかけると、ゲタを鳴らしながら去っていった。
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入れ違いで守衛が到着。
「守衛さんですか? 数分前、不審者がこの部屋に。」
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「ああ、実はそのことですが、こういう時期ですし事務局に問い合わせたところ、新人のカウンセラーが配属されるとのことで…… おそらくそちらの方だったのではないでしょうか。」
「あ…」
対応者は数分前の記憶がよみがえったが、今後の事を思い、考えないことにした。
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「はい、今、キャリアカウンセリング室です。事情を説明し終わったところです。はい、戻ります。」
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守衛は、守衛室へ連絡をとると室をあとにした。
再び、室に静けさがもどった。
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「ふー」。 守衛が去るのを確認したのち、対応者、つまりあなたは、深くため息をついた。
「何か今、ボタンのようなものが光ったが…」。あなたは紅いボタンに気が付いた。
「ジャバボタンか。守衛さんが落としていったのだろうか? いや、それともあの…」。 あなたは眉をひそめる。すぐに顔をぶるぶると振ると、「もう考えたくない」という顔をしたのだった。
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あなたは、紅いボタンを拾い上げると、思わず押下したくなった。ジャバ。ジャバジャバ。
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「最近は何かあると、このボタンが転がっている。この前など、ポケットに手を入れると、ジャバボタンがあった」
ハッと我に返ると、紅いボタンは消えていた。
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きっと、疲れが溜まっているのだろう。そう判断したあなたは、早退を願い出ると帰宅の路についた。
「最近は見なくなっていたのに、またジャバボタンが見えるようになってきているのか……」
ストレスが溜まると、症状が出やすいのかもしれない。確か、主治医も似たことを言っていた。 新しい薬を試すいい機会だ。ネットを見るに、近頃はジャバ病に効く薬がいくつも開発されているようだった。 新薬ならば医療費はかさむが致し方ない。
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もしかすると例の学ランも…とあなたは思い返したが、記憶から消した。明日のことは明日に考えることにした。
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『ジャバ病 闘病記』より抜粋
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