先生は退官直前まで、外を歩きながらMP4 のエンコードをしていました。 データをよく漏れ聞いたものです。 今ではハードウェアによるエンコードが当たり前ですが、先生はご自身の脳を使うことが日課になっていたようです
— トビーネット (@toby_net) March 25, 2021
「とうしたらそのような健康体であらせられますか」と聞いたところ、言葉の使い方など気に求めない様子で、「毎朝の脳でのエンコード。これが秘訣です」とおっしゃいました
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その後、「どのようにして脳だけで MP4 をエンコード出来るか」という講義がはじまりました。残念ながら、私には理解できませんでしたが、この辻斬講義も健康法のひとつなのでしょう
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退官前から続けられている日課のおかげで、日々を暮らして行けている。話の締めに、そのように先生はおっしゃられました。
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先生は数年後、亡くなられました。 葬儀は身内で行われていたとのことです。私が知るのはさらに数年後となりました。
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そして、二百年後の今。 今や小学生ですら、脳でエンコードが出来ています。教育の結果とはいえ、 先生の健康法をみなが実践しているのです。
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先生と最後に話をしたときに渡された紅いボタン。これが、ジャバに関わる最後のパーツであるとは思いもしませんでした。
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それでは先生。今までありがとうございました。長い間お世話になりました。これからもお世話になります。よろしくお願いします。カチッ。
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あなたは、棺おけのような装置の凹みに、ジャバの紅いボタンをはめていた。あたかも最初からそこにあったかのような UI だった。 次に、ゆっくりとあなたは押下した。
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あたりを包む期待が発せられ、視界が妨げられた。棺おけを照らすライトが気体の中にあらわれた、何者かを映し出す
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「先生、再度の任官、おめでとうございます」 差し出した花束は、気体に触れるとパリパリと固まり、揺れとともに砕け散っていた。
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花を持つ部分から少し上はすでに凍るのを止めており、生気を持っている。
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『転生したら脳で MP4 がエンコード出来ちゃいました 2』より抜粋
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