夢と現実の狭間 挟まった男

夜更かししている未来ある若者よ、未来だけ譲ってくれぬかね。なに、何も変わらんよ。大して変わらぬさ。

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 12, 2017

何も怖がることはない。

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若者よ、あなたは未来を知る事ができる。我々は、希望を手に入れる。ただそれだけの事だ。これこそ、ウインウインというものだ。

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今動かなくていつ動くというのだ。なあに、時間は掛からない。そこの診療台に少し横になっていればいい。

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痛かったらこれを握りなさい。ほら、握ってみなさい。
「ジャバ」

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「ジャバ」
どうだ。いい音がするだろう。まるであなたと我々の行く末を祝う祝砲のようだ。

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おっと、話が長くなった。祝砲はいつでも鳴らせる。だが、あなたが変わるチャンスは今だけだ。そこに寝て

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寝て、しばらくすると、少しチクッとするが、大丈夫だ。麻酔だ。麻酔が効き始める。そうしたら、もう安心だ。目が冷め……には……、……我々の勝…は……

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………

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「おい、おい、大丈夫か。」

「大丈夫かあんた。もう終電だぜ。降りなきゃ。さもなくば車庫で寝るのかい?」

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「え、何か変かだって? いや、この時間までいる人間なんて、珍しくもないさ。誰だって、こんな時間まで働くことになる。」

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「あんただって、別に働きたくなくたって、まあ、なんて言うか理由は人それぞれだが… 働かなきゃ、なんて思って、今の今だろ? 何も変だなんてことはないさ」

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一人の青年がもう一人の人間の話を聞き終わるか、その前には長椅子立ち上がった。青年は、自身を起こした人間には目もくれず、急ぐ歩調で電車を後にした。

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駅を出ると省エネルギー政策のせいか、電灯もまばら。時計なしでも帰宅した時が分かるようだった。そうでなくてもいつもの時間であるから、分からないはずもない。

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何か奇妙な夢を見た。よく思い出せない。ジャバがどうのとか。まあいい。帰って寝るだけだ。その次は明日。また寝る。ジャバする。ん?ジャバって何だ?

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とにかくいつも通りだ。何も変わりはしない。… 何か変わった気もするが、何も変わりはしない。

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『夢と現実の狭間 挟まった男』より

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