寝ているとある日突然、ステーキ味の現金が天井から吊り下げられる
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私がそっと掴もうとすると、メディアムレナな現金はスルリと逃げていく
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思わず手からスマホを放り投げた。すでに札束は上へ上へと上がっていた。
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背を伸ばしても届かないなと思った私は、すかさずハシゴを用意すると、思い切り
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気がつくとそこは病室、枕元にはジャバボタンが転がっていた
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「ステーキ…」思わず出た言葉に振り向いた看護師は、「第一声がそれですか」「退院すればいくらでも食べられますよ」と言いながら、先生を呼んだようだった
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現れた白衣の先生は、紅い棒を目の前で振りながら「これがなにに見えますか」と言うので、私は「ジャバボタン?」と思わず返答。先生は渋い顔。
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先生は「ジャバボタンはこちらですよ」と、枕元の先程よりは少し太くガッチリとした紅い物体を私に見せると、手に持たせてくれた
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手に触れた所で「ジャバ」と野太い声が響いた。私は、おどろき、思わず寝たままの姿勢でのげぞったために、その紅い物体を手からすべらせてしまった。
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ジャッという断末魔を上げたその物体は、姿が見えなくなると同時にガシャリと音を立てていた。
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渋い顔のままの白衣はいつの間にかその場にいない。残っていた看護師が「スミマセン、先生はいつもああ何です」と言っていたが、「ああ」とは何なのか、私には分からなかった
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とつぜんに「閉じますね」と声が聞こえたかと思うと、看護師は私を覆うように蓋を被せてきた。
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待ってくれ、寝台を覆うような大きさの蓋は何なのだ。それでは、まるで棺桶ではないか。そう言うとした頃には、視界は暗くなり、外の音は何も聞こえなくなっていた
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ピッと言う電子音の次には、何か煙が立ち込め始めた。
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ただでさえ狭く密閉された空間が苦手な私は、パニックになりかけたが、煙のような霧のようなものが目の前まで来ると、すぐさま落ち着いた。
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意識が無くなる直前、ジャバをインストールするときのような心地よい気分が得られた気がした。
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『ステーキ罠』より抜粋
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