紅く染まる手

ストレスにより、手を見たくなってきた

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 1, 2017

手の組を見たい。手の平だけが映されており、そこにもう一つの手が甲を画面に向けた状態で入る。

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手のひらに対し、新たな手は重なり、握りしめる。手のひらは反射的に硬直し、指先までピシりと伸びる。

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手のひらは、徐々に緊張をほぐし、ゆっくりと指を曲げていく。

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互いの手が完全に交差したとき、ビーッとブザーが鳴り響く。けたたましい音ともに、歓声が湧き上がった。

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「Fight!!」というレフェリーの掛け声。掛け声をかき消す観客の声援、ヤジ。互いの手はガッチリと組まれたまま動かないのであった。

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ジャバファイト決勝戦の始まりである。優勝者には、紅いボタンを模したトロフィーが送られる。一部のソフトウェア開発技術者の間では、大変名誉なことであるようだ。

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大会の様子を見守る二人がいた。葉巻をくわえた紅いスーツは、会場を見下ろしニヤリとする。

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もう一人、蒼いジャケットの者は腕を組み、柱を背にうなだれている。「遊戯に興味はない」と言わんばかりだ。歓声がガラスを揺らす。

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ピーッ!どうやら勝敗が決まった様子である。 紅いスーツは、手を叩きながら、ガハハと下品な笑いをあげた。

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蒼いジャケットはピクリと耳を動かした後、部屋を出ていった。

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『紅く染まる手』より抜粋

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