リフォーム番組「夫が残したキーボードが1000個ある家」
— ト (@toby_net) August 27, 2018
次のあなたはこう言う。「自作キーボードのブームなんて一過性のものだ。人間が一生のうちに持てる、または作ることができるキーボードの数はたかが知れている」。なるほど。一理ある。 私もそう思う。もし100年続いたならば、自分の首にミニキーボードをかけてもいい。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
マニアでも持たない数として1000個を設定した。もし1000個もつマニアが表れたときにあなたはこういうだろう。「いくらマニアでも1万個キーボードを持つ者はいないだろう」と。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
そのとき、突如として黒く縦に長い楕円が開き -- 何もないところに -- 中から全身キーボードで身を固めた修道士が表れた。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
あきらかに全身キーボードの修道士たる出で立ちであるその者 -- 人間であるかは不明だが -- は、自称初心者と名乗った。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
その初心者が言うにはこうである。「いま、キーボードの自作を止めなくては、近い将来に人類に破滅をもたらす、私はそれを止めに来た」。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
あなたは支離滅裂な文言を聞き流すだけで、支離滅裂言語をマスターできるとは思っていない。修道士に、初心者に向かい、どこから来たのか尋ねると、その初心者修道士はこういうのである。わたしは
— ト (@toby_net) August 27, 2018
「わたしは初心者である」と名乗る者を見ながらあなたは首をかしげた。初心者とは?… 支離滅裂言語をマスターするには時間がかかるようだった。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
目の前の自称初心者が名乗るのであるから、あなたも名乗らなければ失礼である。そう考えた、あなたは「私はあなたであり、ジャバボタン。あなたとジャバと今すぐダウンロードをうながす者」。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
と、だいたいこのような調子で、自称初心者の修道士とあなた(今すぐダウンロードをうながす者)は、数時間の話し合いをおこなった。 疲れ果てた両者。 そのうち、自称初心者は、客人に出された紅茶をジャバッと飲み干すと、ふたたび黒い楕円の空間へと去っていった。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
あなたは今すぐダウンロードをさせる事が出来ずくやしがった。話し合いで乾いた喉を、紅茶でうるおす。そのあたりにあった黒い楕円はすでに消えている。くやしがりながらも、存在しない自称初心者が、ジャバッと入れた紅茶を飲み干したことを思い出すと、ほくそ笑むのであった。
— ト (@toby_net) August 27, 2018
『自称初心者の修道士』より抜粋
— ト (@toby_net) August 27, 2018