ボタンを押した。鳴る。いつもの音だ。ジャバッ。そして、二度目の押下。
— 小学二年生 (@toby_net) November 20, 2017
鳴らない。あまりに腹が立った私はボタンをもう一つ作ることにした。そうすれば、いくらでもひねる事ができる。
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ギガー。ウイウイ。ギーガー。コーギー。
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3Dプリンタがうごく。ミーム的な音を発している。よし。大丈夫だ。この3Dプリンタというのは最初が肝心なのだ。これなら大丈夫。
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ジャバッ。ボタンをひねりつぶした。その割にはいい音がした。
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しまった。私は後悔した。まだ、ジャバとなる余地がありながら、ジャバボタンを折ってしまった。魔法の杖から最後の力をふりしぼるように、ボタンはダンマツマを上げていた。
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後悔する間もない。14時間後。ジャバボタンの部品が刷り上がった。完璧だ。ずっと見ていたのだから、失敗のしようがない。
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新しいボタンは、駄菓子屋に眠っていた300円のプラモデルよりひどい精度であったが、それでもなんとか揃った。
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あとは、形を整え、パ手を塗り、ヤスリがけをしてまた、パテを塗り、ヤスリをかけ、サーフェスで下地を塗り、乾かしてまた塗り、次にはもう考えるのをやめた。
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二週間後。見事に新しいボタンが出来上がった。真紅である。今度のはちょっとメタリック。超クール。スプレーを切らしていたが、ちょうどよかった。
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いつものスプレー色ならこうはならない。そう思った私は、すかさず押下するといつものジャバ音を鳴らした。
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シャバッ。……鳴らない。二度目はならなかった。
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『新造人間ジャバ』より抜粋
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