関東ロームから出土した、いにしえの労働者たち。掘削技術の進歩により、多いときには日に1000体ものワーカーが採掘されることとなった。
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労働者の出土はおよそ15年の間続いた。その間に労働力となった者たちは一つの世代として、関東労務層と呼ばれた。
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その後、労働者は出土することがないまま採掘は続く。次のオリンピックに向け労働者の数は足りないままだったからだ。
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最初の労働者の出土から35年が経過した。丁度そのとき、現場に顔を見せたのは太古の闘技場であった。コロッセオである。
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さらには、大聖堂、ロッシやトッティまで出土した頃には皆が皆、くちを揃えてこう言うようになった。現代に関東Rome層が現れたのだと。
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イタリアの首都は関東Rome層に移転した。
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実際は移転した、というより「関東こそがイタリアだ」という過激な主張が市民権を得たのである。賛同した誰しもが、最初は本気ではなかったわけであるが…。
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ともかく、関東イタリアは大量の労働者をともない現れたのである。
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そして、いよいよオリンピックである。何もかもがうまく行きさえすれば、関東イタリア in 東京オリンピックが2038年には開催されることだろう。
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イタリアオリンピックなのか、東京オリンピックなのか、そもそも、なぜ東京で開催されるのか。様々な疑問は国民の間ならず、世界各地で見られた。
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その後、各都道府県にあるいわゆるローム層からは、労働者とセットでRomeが現れた。それぞれの自治体は、「我々の Rome層 こそがイタリアの首都である」と主張。
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なにせ、オリンピックが開催される率が上がるのであるから、どこも必死である。
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ついには、「第一次Rome大戦」が勃発。日本国内における、歴史上最大規模の内紛であった。
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世界大戦を未然に防ぐために動いた国連は、本場ローマを制圧。「ローマは終わった」との見方から内紛は瞬く間に集結した。
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そのような中、内紛を続けるものらが居た。ジャバ一派である。ジャバ一派は内紛にかこつけ、各地で同時多発的にジャバを無料配布していた。
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もちろん、元々無料で配布されているものであるから、見向きをするものは少ない。
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元来無料、それも原因であるが、ジャバ一派 ーー ここではジャバ一味と読んでも過言ではない ーー は、赤いヘルメットと赤い棒をたずさえ現れるのであった。
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継続した内紛とは、各地でほそぼそと続けられたジャバ、つまり、(彼らの弁を借りるならば…)「革命的ソフトウェア開発手法」に他ならない。
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『関東ロームと誇大の墓』より抜粋
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