パーティなんか抜け出して、俺と抜け出したくなる品質のパーティを探さない?
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人間を連れ、パーティを抜け出しては、別のパーティを発見する手法を用い、男は次々にパーティを発掘していった。
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そうして作られた「連れと抜け出せるパーティ・リスト」。リストは好事家の間で広まりつつあった。
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男は需要の高まりを感じとり、ビジネスにし始めた。当初は、初期にパーティから連れ出した人間をスタッフとして雇っていた。
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だが、すぐにスタッフが足らなくなった。すると、男はパーティを抜け出したペアを雇うという方法を思いつき、スタッフ不足は解消。
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パーティに参加し「抜け出せるパーティリスト」を売り込む部隊、抜け出したペアに次のパーティを紹介する部隊、また要領のいい者をスカウトする部隊などがあった。
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好調だったビジネスも長くは続かなかった。パーティの主催者らが結託。「抜け出せるパーティ」を開催、参加者に他の「抜け出せるパーティ」を紹介し始めたのだ。
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つまり、男のビジネスを通さずとも、利用者は「抜け出せるパーティ」を知ることが出来るようになったのだ。
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元々、パーティの主催者間にはネットワークがあった。互いに参加者を紹介することは、難しくない。
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また、男には「新しいビジネス」であったが、主催者側の立場では、新しい企画の一つに過ぎなかった。
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それでもなお、男のビジネスは続いていた。小規模のパーティ、特殊なパーティなどを相手には、まだまだ需要があったのだ。
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好調に見えたある日、突然、男のビジネスは終わりを告げた。男が、ダウンロードセンターにて、ジャバを飲んでいた時のことだった。
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それは、商談中に掛かってきた一本の電話だった。
「スカラが警察に捕まった」
ジャバに男のビジネスを広告できないかと交渉中の出来事であった。
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男は焦った。スカラは、創業メンバーだった。ビジネスの何もかもを知っている。何か間違いがあったに違いない。
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男が戻ったときには、事務所は家宅捜索を受けたあとだった。あとで弁護士に聞いた話では、事業内容が何らかの法律に引っかかっていたらしい。
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「間違い」があったのだ。数ヶ月後にスカラを見かけた時、いつの間にか同業他社の役員となっていた。
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日々の整理に追われる中、男は、スカラとパーティで会ったことを思い出していた。
「こんなパーティを抜け出して、別のパーティ探さない?」
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『こんなパーティ抜け出して』より
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