ジャバの音返し

「昼間、助けて頂いたあなたです」
「えっ、私がもう一人」

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

「恩返しに来ました」
「あっ、私の夕食、勝手に食べないで…」

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

「朝になるまで、開けないで下さい」
「ちょっと、私の部屋…」

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

ガタッ、ゴトッ、ゴソゴソ。ジャバジャバ。

「おい、開けろッ!」

ドンドンドンドン!

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

「ちょっと、開けないで貰えますか!?」
「いや、あなたが勝手に…」

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

部屋からは「ジャバジャバ」という音が聞こえる。

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「私のジャバ枕が、弄られている。」これ以上、あなたの横暴を許すわけにはいかなかった。

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ドゴッという音とともに、部屋は開かれた。私は扉を蹴り開け、踊り込んだのだ。

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「ああ、見てしまわれたのね」
「おい、私のジャバ枕から手を離せーッ!」

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

「…帰ります」
「帰れッ」

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こうして、何らかの恩返しか何かにより、私のジャバ枕はいじり倒されたのだった。

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その後、何度かあなたが私の家のインターホンを鳴らしたが、

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私が、訪問者用のモニタを確認する頃には、姿を消していた。

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このイタズラは、二年ほど続き、ピタリと止んだ。その後、数日であなたの事はすっかり忘れてしまったのだった。

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『ジャバの音返し』より抜粋

— BABY IN HEAD (@toby_net) June 5, 2016

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