遅刻、遅刻と急ぐ朝、曲がり角で障害が発生。小脇に抱えたミニガンにより肉片に変わる何か。不定形なそれは、今日、転校してきた何者かの果てた姿であった。そして、何者かを支援していた組織に狙われることになる。
— 規則正しい生活 (@toby_net) November 30, 2016
何者かが転校してきたはずの初日、学校は組織の襲撃にあう。 本来ならば、運命的な出会いにより、友に戦うはずであった者はすでにない。
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バックアップを得るはずだった組織に狙われ、自慢のミニガンはパチンコかスリングに過ぎないことを悟る。取り押さえられる、あわや拘束となったとき、
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指輪から光が広がっだ。まるでスタングレネードだ。今朝の肉片から拾い上げた指輪が、こんなところで役に立つとは。
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「目くらまし」が効いている間に脱出、思わず校舎の6階から、飛び降りる。しまった、と後悔するも遅く落下。
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走馬灯が流れ始める。朝の衝突。何者かの顔は死に際であっても、確認できない。ミニガンが回りだす音が聞こえ、毎分4000発の弾丸が一発一発ゆっくりと、射出される。
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最初に弾丸が肉に吸い込まれた直後、落下中の現場に引き戻された。 しかし、あわや地面に激突というところで、体はふわりと浮き、ゆっくりと地面に降り立ったのである。
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「これは一体…？」
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思わず出る声がか細い。 手を見るとそこには、白いグローブが。あたりを見渡すと、視界の端には羽が見える。半透明な羽だ。
指輪。どうやら、異様な肢体と外套は指輪のせいに違いなかった。 指には、先程まで入る余地などなかった指輪がちょうどのサイズに収まっている。
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「そうだ、ミニガンは… 」
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そう心からの声が漏れ、そのときには小脇に光りはじめるものがあり、ハッキリと形作る前には、それはすでに見覚えある感触であった。
ぼんやりと光るミニガンらしきものが光沢あるボディを取り戻した。シャーともサーとも似つかない静かな音とともに、弾はごく当たり前のように飛び出していき、校舎を取り囲む黒服を一掃していった。
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とにかくここを去らねば、という直感が体を動かした。跳躍。体が軽い。指輪のせいかどうかも考える暇もなく、ただ低く跳ねるように飛ぶ去るのみであった。
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追っ手を振り切った。そういえば、ミニガンはどこへ行ったのだろう。 小脇にあったはずの物がない。確認する暇もなく、指輪が烈しく明滅しだした。
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日差しの中に一つの影。見上げた先に自分と似た何かが屋根に立っていたのである。何か棒を持ったかのような影に気がついたとき、こちらの小脇にも例の感触が戻っていたのだった。
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あなたと影は同時に声を発した。
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「あれは… 」「あれは…」
「ジャバ棒！」「ジャバガン！」
声が終わらぬ先に、影の持つ棒は急速に回転し始め、こちらのミニガンは静かにスタンバイ完了していた。
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ジャバババババ。先ほどとは打って変わって、激しく鳴り響くミニガン、いやジャバガン。影は消え、目の前に現れるジャバ棒を振りかざしていた。
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互いにやる事は了解済みかのように、奇声を発し、互いのジャバを振るうのであった。
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『ジャバ使い教育計画』 通称OJT(On the Java Training)より抜粋
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