ジャバ民権運動とアメリカの政治――その光と影

オジャバ大統領

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

ここは遠くない20XX年の未来、アメリカ帝国(元合衆国)では、初の女性大統領誕生から数十年後、初の人工知能の大統領が誕生した。その名も「オジャバ大統領」である。

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

民主党の候補として姿を表したオジャバの姿は、黒い鋼鉄製のフレームに囲まれた無機質な機械であった。それを見た記者は嘲笑ったが、その様子を何かのセンサーで読み取るや否や、「皆さんが驚くのも最もでしょう」と合成音声で喋り出したのだ。

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

記者は騒然とした。きっと中に人がいるに違いない。しかし、中の人はいなかった。それどころか、専門性の高い判断を次々と行っていく。そこにあるのは、確実に人間に失われた「リーダーシップ」というものであったに違いない。

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

ここは大麻も合法化されるアメリカ。もし合理的な判断が下すのが最も得意なのが機械ならば、それが支持されるのだ。事実、人工知能は圧倒的に支持をされた。人間の政治に、皆飽き飽きしていたのだ。アメリカは空前のオジャバブームに沸き立っていたのだった。

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

オジャバ大統領が示した「機械もまた人間の友達である」というリベラリズムは、旧来の保守層からは反感を買ったのも事実だ。オラクル・トランプ候補の演説に特に顕著だ。「ジャバはせいぜいエンタープライズの下で動けばいいのだ」「30億のデバイスに機械権を与えたらアメリカでは無くなってしまう」

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

こうして、人間優位主義を打ち出したオラクル・トランプ候補が当選したことにより、「機械にも人権を」という希望を持ったデバイス達は絶望した。中には州ごと独立しようというデバイス達もいた。今、シリコンバレーを支えているのは他ならぬジャバが動く「30億のデバイス」達なのだから。

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

『ジャバ民権運動とアメリカの政治――その光と影』より

— えせはら(似非原重雄) (@esehara) 2016年11月29日

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