「私がまだ生殖を否定していた時…」
— { } 太郎 (@toby_net) March 5, 2016
目の前の男はおもむろに口を開いた。突然のことであったので、スイッチを入れようとしたレコーダーを机から落としそうになった。
一方的に話し続ける男の目を見る。こちらに合わせる様子はない。
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反生殖運動の話題が続く中、試しに自分の鼻をさわり、袖のズレを直してみた。似た行動は見られない。
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演説ともとれる男の話題に、相づちを打ってみる。特に、呼応する様子はない。
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「…は、本来ならば国が負担すべきものである」
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。
「ジャバのように
無料で、提供されるべきということですか。」
男の唇が一瞬震えたように見えた。方向性が見えてきた。
「つまり、…であるからして…」
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「今のは、もう少しで 575でしたね」
「…」
演説が止まった。感触は良好だ。
「あなたも575器官を?」
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「ええ、昔少し」
よく分からないが、適当に話を合わせた。
話題は「器官」の話に変わっていた。私が、話を元に戻そうとしたとき、だいたいその辺りから記憶が途切れた。
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「…さん、聞こえますか?…何本に見えますか?」
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看護師の声で気がついた。ここは病院だ。
反生殖を訴える物体との対話において、生きていただけ、儲けものだろう。
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しかし、握ろうとした両手に感覚がない。ジャバを無自由なくダウンロードするには、もうしばらく掛かりそうだった。
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それにしても、機関もヒドイ仕事をさせるものだ。本来なら、私は死刑が執行される頃だ。
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今日のような反生殖主義者との対話が続くならば、「死んだ方がマシ」と思えるかもしれない。『物体T』より
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