ふふふ、まだボクの脳が完全ワイヤレスだとはバレてないようだな。 そこの女の子のがボクの本当の脳だと… あっ、どこ？ ちょっと目を話したスキに…！！ あなたお母さん？？ どんなしつけされてるんですか？？ それよりも迷子の放送を早く！！！
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
腰に背負った左右、二本の円柱状容器からチューブを引き出す。 首の後ろに接続すると、あなたは小声でつぶやく。
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「脳をワイヤード・モードに切り替えた」
どっと、体のゆれとともに目前にノイズが走る。 女の子とぶつかったようだ。 しかも、目の前ではしゃいでいる女の子は、あなたの完全ワイヤレス脳を搭載していた。
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「まずい。 脳が2つ同時にオンラインはまずい」
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
あなたの脳を内蔵した女の子は、自身のスイッチ、それは丁度首の後ろにある、に手を伸ばした。 女の子のニヤけた顔と、あなたの驚く顔が交互に写り始め、アーッという声とともに
いつの間にか、あなたは気を失っていた。 体を起こそうとするも、どことなくぎこちない。 目の前には倒れた男がいる。 早くあのチューブを…首から伸びたチューブを引き抜かなくてはならない気がする
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
あなたは倒れた男に近づき、小さな手でゆっくりと起こすと、チューブに手を掛けた。 首筋に感触を感じた。 手で表面を触られているような。 あなたはきもちわるさに、ゾッとしたが、そのままの勢いで、スイッチをオフにした
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
あなたは目の前の倒れる女の子を細い手で支えると、近くにいた彼女の母親を呼んだ。
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
あなたは他人のワイヤレス脳について少し考えたが、まあ何とかなるものだと思いはじめていた。関心は、昼食をカツ丼にするかカツとじ定食にするかに、すでに移っているのだった。それが女の子の関心とは気が付かずに
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
『あなたの脳はわたしになります』より抜粋
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020