【☑ 私はノットジャバではありません】
— 小学ニ年生 別冊付録 (@toby_net) April 12, 2018
チェックボックスにチェックを入れてから何時間、いや何年経っただろうか
【ジャバ
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の画像をすべて選んで】
端末にはタイル上に並んだ、何らかのピクチャが並んでいる。次々に表示されるピクチャを選んでいく。
「ジャバ、ジャバ。これはノットジャバだ、危ない。ジャバだ。このプールは?ジャバ?」
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気を抜くと、ジャバかどうか分からなくなる。時間の感覚が分からない。
あるときはタイル全てに、野球のマスコットが並んだ。背番号がないものは、判別しにくい。こういうときは、普段、帽子をかぶっているかどうかの頭の「跡」で確認する。難問だった。
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「ジャバなどない。もう少しのようだな。」
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ジャバがない場合は、スキップできる。いよいよ終わりが見えてきたようだ。
【あなたとジャバ、今すぐダウンロー
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ド。ジャバボタンを選んでください】
タイルは消えていた。ただ一つの紅いボタンを除いては。
押下。
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【おめでとうございます。あなたはジャバと認められました。引き続き、ジャバをお楽しみください。】
「終わった…」
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深呼吸。そして、あなたが背伸びをし、首を横に曲げるとコキャクと音がした。
そう全てが終わったようだった。
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あなたは網膜のアップデートに気がついた。視覚にうつるあらゆる物には、「ジャバ」、「ノットジャバ」のラベルがオーバーレイされるようになった。
「こういう事だったのか」
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あなたはいつの間にか世界のアップデートに付き合わされていたのだ。わるい気分ではなかった。世界に貢献する事は、あなたの信条に反するものではなかった。
気分転換に外に出たあなたは、さらに一つの終わりを見た。一面に広がる高層ビル街。ネオンサインがまぶしい。田畑は無くなっていた。築50年のボロい我が家が、築400年に思えてきた。
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あなたは、我が家そのものがスリープ装置だった事を思い出した。
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「あれは、あのジャバは夢だったのか。なかなか飽きさせないプログラムだな」
あなたは網膜に「ジャバ」、「ノットジャバ」のラベルが写っている事に気がついていたが、その素振りを見せない。夢かどうかは、どうでもよい事のようだった。
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あなたはフードをかぶると、数世紀ぶりに外を味わうために、ネオン街へと歩きだしていった
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『☑ 私はノットジャバではありません』より抜粋
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