ネオン街にみるジャバ

「ジャバすぐ購入! ジャバすぐ」 ギラつぬネオンがうるさい。同時に機械的な音声がまたたく。
「…いや、ジャバは無料ダウンロードするものだ」。携帯型移動端末をしまい、男はラップトップを取り出しだ。

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

怪しげ男が、少しカタカタと何やら打ち出すやいなや、ネオンの表示は一瞬、グリッチしたもののすぐ元のように、小うるさく話し始めた。

「あなたとジャバ! あなたとジャバ!」

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

「… それでいい」。 ネオンを見下ろす男の口元は、少し歪み、どこか達成感を感じさせる。

「無料! 今すぐダウンロード! 無料!」。 開発室のように止まらない夜を飾るように、ネオンが叫びだしていた。

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

男が立ち去ったあとには、人だかりができ、「ジャバ!ジャバ!」という声や、ピロリピロリといったシャッター音が聞こえていた。

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

「あなたとジャバ! 今すぐダウンロード!」。 紅い声が、携帯端末からも聞こえるようになった。どこぞのアンダーグラウンドグループが、デュークのコスプレをし、舞台(せんじょう)を舞っている。

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

「…チッ」。かつてのカタカタ男は、余計なことをしたか、と舌打ちをしたあと、いつもの能面へと戻っていた。

ジャーバ! ジャーバ!無料!
 ジャーバ! ジャーバ! 無料!

今日もネオン街に、プロパガンダがこだまする。

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

『ネオン街にみるジャバ』より抜粋

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 26, 2017

ジャバ名作劇場 に戻る