「ウイー、ヒック。 もう帰んな。オレぁ、もう自動生成ダンジョンはやってねえんだ」
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「あんた! もうポーションのがぶ飲みはやめて」
「うるせぇ!」(パリーン)
(即座にベルトから新たなポーションを出す)
「マナがよぉ。マナがつきかけてんだ」
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「マナシールドなんか止めて、あの頃のダンジョンに戻って」
(サブクエストの外で)……「いつもあんな感じなんです」
「お役に立てそうにありません。 えっ、わたしですか!? …わたしは単なる荷物持ちです。 それも今や最大128個のうち2つしか持てません。 慣れれば瞬時に売りに帰ったり、拠点の保管庫との間をつなげられるかもしれませんが……」
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「わたしはともかく…主人は……もう道具を持たせてくれることもないのです。 わたしのバックパックを見てください。帰還のスクロール一つ入っていない。ぜんぶポーションです」
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
ドガッと蹴破る音がダンジョンに響くと、ポータルが開いた。
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「おい! もうポーションはねえのか!」
「もうありません!!」
「……見せろ! …まだ 255個2スロット分あるじゃねえか」
「お見苦しいところをお見せいたしました。いつも主人はあの感じなのです。ポーション依存症とでも言うのでしょうか。サブクエストから中々メインクエストに出ようとしてくれません」
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「そのポーションは? 主人にわたせと…そうすれば分かるというのですね?」
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「……おい! なんだまだポーションがあるんじゃねえか。………こ、これは!」
「こ、こ、これは、深層でのみドロップするという、『グレーター・レッサー・防水の防腐処理をほどこした燃えない暗黒耐性のある聖なるポーション』!」
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「……分かった。オレもいく。 ……ただし、オレが出来るのはポーションのがぶ飲みだけだ。 マナポーションも最高のものを用意しておけ。マナシールドが常時発動しているからな。」
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こうして、あなたとジャバ、そして新たに加わったポーションがぶ飲み太郎の冒険は始まった。 その後ろを次元を超えてついてくる小さなジャバボタンも一緒に……
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
あなたの目的がポーションがぶ飲み太郎ではない。そのことは、太郎に知らせるわけには行かなかった。 いくつあってもポーションが足りない。
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020
「主人」と呼ばれる太郎の後ろをついてまわる小柄なジャバボタンこそが、あなたの狙いだったのだ。 ジャバボタンは異次元につながっており、様々な役に立つ
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そのはず、太郎といたジャバボタンには、「無料ダウンロード」なるスキルがそなわっていた。 瞬時に、サーバーの保管庫からアイテムを取り出す機能。各冒険者ごとに異なるアイテムを一時保管する機能、などである。
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あなたは、「マナポーションを渡さなければ、太郎だけは帰ってくれるだろう」と考えていた。 その考えが甘かったと知るのは、最大階層数をゆうに100は超えた辺りであった。
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『無限のベルトポーチとがぶ飲みポーション太郎』より抜粋
— トビーネット (@toby_net) October 25, 2020