システム設計面接 頻出問題集

「最後に質問はありますか?」
「もう最後なんですか!?」
「…それが『最後の質問』で本当にいいんですね?」
「…」
(口を押さえながら考えるしぐさ)

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

「最後の質問は決まりましたか?」

『最後の質問』が提案されてから、2時間は経過したであろうか。 いまだ誰一人として席を立つものはいなかった。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

『最後の質問』に関する提示が行われてから4時間が経過しようとしていた。 時間の制約など始めから無かったかのような「試練」 に見えた。そう、これこそが最終の「試練」に思えてならなかった。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

不思議と緊張を保っていれば、腹は空かないものだ。『最後の質問』からは、3日が経過していた。 ある者はトイレへ行くと言ったきり帰って来ず、 またある者は失禁した状態で未動きできずに、床に転がっていた。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

一週間が経過した。面接の会場は、 一時的なものだったのだろう。 何度かの人の出入り、中身のない会話。そして合意。そこが会議室であろう事は明白であった。失禁した者たちは、はじめから無かったように、居なくなっていた。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

『最後の質問』から、3週間が経過した頃には、掃除の業者とも仲が良くなっていた。転がる志願者が片付けられるのを手伝い、毎日あいさつするうちに、「いつもの人」と呼ばれるようになっていた

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

3ヶ月も会議室にいれば、この会社で何のプロジェクトが進み、誰がキーとなっているのか、進捗のバラつき、それらの傾向に気がついてきた。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

半年は経った頃であろうか。一人の老年のスーツのものが会議室に入ってきた。風貌からはいまいち性別が読みとれない。 スーツは口を開く。

「その… 決まりましたか?」

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

枯れた声では、やはり性別は読みとれない。分からないものは考えないことにした。 もっとも大事なことは、この面接をどう乗り切るかである。 ちょうどそこで、思い出したことがある。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

仲良くなった清掃員からはある噂を聞いていた。どうも、この社には裏の面接があるのだという。 噂を真実と思い込んでいるのか、その清掃員は得意げに何度も話してくれたものだった。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

「困ったらこれを見せなさい」と渡されていた物体もある。紅い。 無料ダウンロードと刻まれたその物体は、何らかのキーアイテムに違いなかった。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

あなたが我に帰ると目の前に、スーツの者がいた。 間近でニヤリとした顔つき。驚きはしたが、顔には出さない。 いよいよ時は来たのではないか。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

「御社に決めました」
「そ、そうかーっ。それはよかった!」

ダメ押しとばかりに、紅い物体を差し出すあなた。

「あの、これを」
「あー、あのときの…」

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

「あのとき!?」

思わず出た言葉に口をふさぐ。そうか、そういう事だったのか、とあなたは全てのつじつまが合った気がした。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

スーツの老年は早口で話しだした。

「…いや最近は人が足らなくてね¥%-@(4&¥:-… 」

何を言っているかは分からなかったが、どうやら『最後の質問』はクリアしたようだ、とあなたは安堵した。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

あなたの存在に再び気がついたかのように、早口をおさめ、あなたに向き合うスーツ。

「それで、あなたの担当なのだけど、まずはこの会議室を隅々まで…ね? 明日からでも」

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

やられた……。なんの事はない。このスーツの老年は、清掃業者の採用担当者だったのだろう。「この社」、「弊社」と聞こえていたのは全て、この建物の管理会社か、はたまた委託された業者だったのであろう。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

「あー、それで手順なんだけど」

スーツの老年はこちらの意志とは関係なく話を続ける。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

スーツは何やら話しながら、目配せと手振りで、部屋のある机を差した。机をのぞき込むあなた。 机の影には、何やら怪しげな機械が見える。マイクのようなものにも見えた。 すかさずスーツは観葉植物を指差した。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

「まあ、そういうことで。明日から「ここ」のことはよろしく。すぐ契約書を送るから」

どうやら掃除と言ってもただの掃除ではないようだ。あんまりな半年を乗り越えた先にあるものが、何だったのか、ようやくわかった気がした。

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

『システム設計面接 頻出問題集』より抜粋

— トビーネット (@toby_net) 2019年7月2日

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