「……お客さん、ジャバ要る?」ジャバ国についたばかりの私は、異様な言葉に出迎えられた。
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タクシーの中では、運転手がニヤついた顔でこちらを見ている。「……」後部座席にいた私は、少し間を置きノットジャバのポーズをとっていた。
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「……スカラ?」運転手の口からはさらに過激な言葉が飛び出す。「……」再度、私はノットジャバのポーズを繰り出す。
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「わかった。あんさん、スカラZでしょ?」面妖な顔に似合わぬ細い指が、空中でアルファベットの最後の文字を刻んでいる。
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もう少しで、私はノットジャバのポーズを中断し、ファイナルレターをニヤけた顔に刻むところであった。
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タクシー運転手にとって幸いなことは、私が「Z」を刻むサーベルを手に持っていないことだ。
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「」Nullのジェスチャーを見せると、何事もなかったかのようにタクシーは目的地へと進み始めた。やはり、ジャバ国では生のジャバを求める観光客が多いのだろうか?
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「ジャバするなら、ここね」こりない運転手は、左手の親指を窓側に突き出している。むふ。ジャバとは何かの隠語なのだろうか?
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「わるいけど、今日はジャバしに来たんじゃないんだ」それを聞いてか、運転手は口を閉ざしてしまった。目的地まではあと2時間はあるというのに。
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ジャバ国、そしてジャバとは何なのだろうか。仕事の出張にしては、えらいところに来てしまったものだ。
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ーー「……さん……客さん、着いたよ」どうやら寝てしまったようだ。ここは……「ダウンロードセンター!?」 思わず漏れた口を塞位だが、驚きは伝わったようだ。
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うっかりしていた。運転手のニヤついた顔は、油断すべきではなかったのだ。冷や汗をかきながら、煌々(こうこう)とジャバるネオンサインをじばらく眺めることとなった。
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『ジャバ国 訪問記録』より
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