鍵開け師

ただしく差すと認識する USBメモリに、この道、30年のプロの鍵開け氏が挑戦。果たして、江戸時代より代々うけつがれたUSBメモリには何が入っているのか。

— 小学ニ年生 別冊付録 (@toby_net) April 14, 2018

鍵開け師「これは USB 2.0 の Type A ですね。難易度が高いですが、差さらないことはないと思います。」

自信たっぷりの顔を見せる鍵開け師。

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師は、内視鏡カメラを持ち出した。 手元からは見えない位置にある USB 端子に当たりを付ける作業だ。

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「想定より、スペースが狭いですね。そのままでは差さらない。」

師が取り出したのは、特殊な工具。USB延長ケーブルの先に L 字の端子が付いている。

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内視鏡と延長ケーブルを器用にあつかう鍵開け師。しかし、なかなか差さらない。外で降るミゾレの音が師の集中力をそいでいた。

「あのー、15分ほど外に出て頂いてよろしいでしょうか。」

少しでも、集中力を高めようと、すかさずスタッフを追い出す。

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オフィスの扉がしまるや否や、師は猛烈な勢いで デスクトップPCの側面を外した。 内視鏡を放り出すと、すかさずマザーボードに USB 延長ケーブルを直結。すぐさま隙間からケーブルを出すと、PCを元に戻した。

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ミゾレが積もり、白に茶色の地面が見える。こごえるスタッフが端末で時間を確認する。みなのはく息が白い。オフィスの扉が空いた。

「…」 師が無言で OK サインを作る。

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USBメモリを確認する職員たち。

「これはすごい。タイムスタンプがめちゃくちゃになっていますが、変換すると 1800年代に違いありません。」

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鑑定士「間違いなく、江戸時代末期の資料です。」

ジャバ鑑定士「見てください、これ。ジャバボタンのソー... いや設計図ですね。 これは、明治前にはジャバボタンがあったという証拠です。」

一同がうなづき、職員はみな鍵開け師と握手。

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職員「ところで、あのフードのいや『ジャバ鑑定士』と名乗る方は誰なんでしょうか。」 職員の一人が首をかしげながら、鑑定士に問うた。

鑑定士「…? そちらでお呼びになった専門家ではないんですか…」
職員「わたくしどもは何も…」

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鑑定士と職員がオフィスを見渡すと、ジャバ鑑定士、いやフードの姿はなかった。慌てて、USBメモリに目を向けると、ちゃんと残されていた。両者とも安堵のため息。

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フードの男は、白い地面に足跡が付かぬよう、ビルをつたい去っていった。その手には、例のUSBメモリと同じものが握られていたのだった。

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『鍵開け師』より抜粋

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