自動キーキャップ工場

すぐにでも世界はキーボードで埋め尽くされる運命にある。

— 小学二年生 (@toby_net) November 20, 2017

200年前のちょうど今頃、当時、世界一の富豪「アーロン・タスク」がキーキャップの全自動工場を立て始めた。そのニュースがきっかけだったように思える。

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アーロン氏は、かつて電動式ジョークグッズのメーカーのCEOとして名を上げていた。彼の社には、世界有数のスマートマッサージ機を排出したパイナップル社のエンジニアすら、こぞって転職していった。

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ある日を境に2、アーロン氏はCEOを辞めた。彼の当時のズイッター(現存する最古のSNS)にはこう記されていた。「自作キーボードは沼だ。」
「キーキャップが私のサイズに合わない」

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当初はみなアーロン氏のいつものjokeだと思っていた。新たなベンチャーで、また、みなを楽しませるのだと。誰しもが、決して医療品ではない、新型のジョークグッズを待ち望んでいた。

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ところが彼は本当に自作キーボードにハマっていたようだった。たしかに、新しいベンチャーは、彼によって作られた。そこで生産されたのは、みなを楽しませるグッスリではなく、カラフルなキーボードのキャップであった。

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アーロン氏がズイッターに上げた写真は、色とりどりに電飾されたキープであった。クリアでありながらも、漢字が多重に成形されたキャップまで見えた。

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自作キーボード勢は歓喜した。我々の時代が来たと。アーロン氏をそそのかした、エイプリル社はほくそ笑んでいた。

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エイプリル社と言えば、当時は、毎年4月1日を牛耳っていたものだ。人を魅了させる未来的なガジェットを、一年に一度、リリースしていたは人間を沼に落としていた。

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とにかく、全自動キーキャップ工場は誕生した。当時普及していた端末から、あらゆる色、形、材質、角度から、成形方式、刻印までを選択でき、10個から注文できたのだ。

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画期的だったのは、リボ払いに対応していた事だ。キーボード沼勢がこれまで使ったことのない額のリボを背負うこととなった。

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「いつアーロン氏がベンチャーをたたむとも限らない」、ズイッターの記録を見ると、みながそう思っていたようだ。

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いよいよ、来たるは2038年であった。ある日、世界有数の資産家は大量のジャバキーを発注した。発注したのは彼、高僧と仙人を兼務するジャバ氏であった。

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持ちうる資産を投じて注文されるジャバキーキャップと、世界一の資産を全自動工場につぎ込む者との、バトルが始まったのだ。

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結果的に戦いはアーロン氏が勝利した。ある日を境に、キーキャップ工場自体が自動で建造されていったのだ。

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アーロン氏は密かにパイナップル社と提携していたのだ。無限に需要のあると思われていたマッサージ機の売上は止まりつつあるものの、生産施設の完全無人化と、その自己増殖システムはアーロン氏には宝に見えた。

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アーロン氏はジャバ氏との戦いに買った。だが、試合には負けていた。アーロン氏以上に飽き性の彼は、ピタリとキーキャップの注文をやめた。約160年ほど前のことである。

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その後、燃え尽きたアーロン氏は失踪。アジアのどこか、日本人の住む村で静かに暮らしているという。

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キーキャップ全自動工場だけは、建造され続け、もうすぐ北米を埋め尽くそうとしていた。

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もう少しで、南北の壁が破壊される。南米の武装者は壁を超えては、キー工場を襲撃していた。そのたび、ドローンを含む迎撃装置により、灰となっていた。

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南米の富豪が脅迫の声明を出そうにも、アーロン氏は行方知らずであった。

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『自動キーキャップ工場』より抜粋

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オーマイ・キャップ(キーボードを使った深夜のコメディ番組)

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