〝ジャバ〟 と〝警官〟

「え、これ? 花粉症がひどくて」
「室内だしさ、マスク外しなよ」

「?あなたさん、どこかで見たな ……思い出した!交番のポスター!」
「ほんと?最近、有名で困っちゃって」

男はテーブルの紅いボタンを連打した。

「すみませーん、ジャバと警官一つ」

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

ウエイターがどこからともなくスポーンした。”無料” とかが刻まれた前掛けを揺らし、あなたと男に近づく。

「こちら 〝ジャバ〟 と〝警官〟 になります」
「あの〝警官〟 を二つ頼んだ覚えはないのですが……」

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

スーツの二人組。暗がりの気配に気が付かない男ではない。
暗闇から飛び出すスーツ。

「ジャバ警察だ! 違法ダウンロード、及び有料コンテンツ斡旋の疑いで逮捕する」
「今すぐ端末からログアウト、プロセスを停止せよ」

スーツの一人は、腰のツールキットから端末を取り出した。そのとき

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

「スーツのビジネスに付き合っていられるか」と男はつぶやいた。同時にあなたの手をとり、壁の中へと消えていった。

「チッ、コリジョン用のフラグを変化させるデバイスか」
「本部、こちら派出所併設のカフェ・ジャバ。容疑者は同併設のダウンロードセンターに逃亡。応援もとむ」

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

本部から派遣された人材が三名。あるスポーン地点に到着。
センターには保守用に無数のスポーン箇所があるのだった。

「保守とはいえ、休日だぜ?」と人材。
「非正規の扱いなんてこんなもんだ」溜息をつく人材。
「雑談の暇はないようだ」

デバイスにアラート通知が notify。

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

突如、人材の首が吹き飛んだ。首から上は JSON がむき出しだ。

「ピーエイチピーか」
「ジャバだと思って油断したぜ」

人材二人は、深呼吸の後、デバイスを調整。

「数ある中からドンピシャのスポーンを狙いやがった」
「言ったろ?暗号論的なんたらもこんなもんだ」

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

「手練れだな。一旦、上司に報告、リスポーンするか?」
「契約打ち切りはごめんだ」

俺には帰りを待つ娘がいるんだ、という小声はもう一人の人材には聞こえていなかった。

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

続けざまに、ハスケルが飛来。スポーン地点のオパシティゼロなウォールに接着。
センター奥への移動を余儀なくされる二人の人材。

爆発。

「おいおい、ハスケルは副作用がないんじゃなかったのか」
「都市伝説だ。無駄口を叩いている間に、娘に会えなく無くなるぞ」

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

「違法なハスケルか…」とつぶやく人材の背後には、男。

にぶい衝撃音。

「わるいが、ふつうのハスケルだよ」

うかつな違法レッテルは、人材の体に風穴を開けることとなった。

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最後の人材は男の股間を狙っていた。

「すごいハスケルだか何だか知らねえが、ジャバを喰らえば、お陀仏よ」

爆発四散。

四散したのは人材の方だ。

男は顔を見上げ、目で非言語コミュニケート。目線の先には、あなたがいたのだった。

あなたはジャバ射出デバイスをゆっくりと下した。

— ジャバとドーナツの穴、それらの意外な関係 (@toby_net) 2016年3月28日

「ジャバはわかりませんが、PHPなら分かります!」

直後、発声した女の首はとび、首から上には JSON だけが残った。

「ピーエイチピーが『分かる』んじゃ、なかったのかい」

声の方向には、回転したピーエイチピーを腕に再装填する男がいた。

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