瓦割り券

劇場版あなたと…

— トビーネット (@toby_net) November 8, 2023

【特報】 無料!

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お母さんの誕生日に「俺は専門家でないので他の人に聞いてくれ」券をプレゼント

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券文化の地域差、歴史しりたい

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母が差し出したのは20年前にプレゼントした瓦割り券だった ーー

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たしかにあなたは幼少の頃に道場に通っており、その影響か母の誕生日に「瓦割り券」をプレゼントしたのだった

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「瓦割り券」はあなたが知恵を絞って渡した感謝の気持ち。その券の行使がどのようなものか、本質ではないはずだった。

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そして今、あなたの前には瓦割り券がある。とっくに道場には通っていない。むしろケガをしたため、成人前には辞めていたのだ。

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どうしたものかと悩んでいると、母は無言でグイと券突きつけてくる。「割れ!瓦を!!」と今にも言い出しそうな圧があった。

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仕方がない ーー 瓦割り券を受け取るとあなたは深呼吸をしていた。まさに吸い終わらんとする直前に一閃。縦に詰まれていた5mはある3階建ての瓦は真っ二つ。

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あなたは瓦割り道場を辞めていたが、今は券道場に通っていたのだ。すでに師範代に迫ろうとするあなたの券裁きは、詰まれた瓦の断面を鋭利にさばいた

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パチ、パチ、パチ。ゆっくりとした拍手が母から聞こえた。喝采、歓声ではなかった。「何か」に気がついたあなたは崩れ落ちた瓦をかき分ける。

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崩御した瓦の下には、ピカピカのメタリック調、クリムゾンカラーの巨大なボタンがあらわれた。ジャバボタンである。

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ジャバボタンは切り裂けなかった。何段もの瓦を割ろうが、ジャバボタン一つ割れないではないか。母のゆっくりとした拍手からは、そのようなメッセージが読み取れた ーー

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『瓦割り券』より抜粋

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どうですが贈答用瓦割り券。大量入荷、今ならお安くお求めいただけます。ギフトラッピングにも対応。母の日特集の記事にて。

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