秘密鍵を狙う列車強盗と、たまたま居合わせた公開鍵を持ったパーソン、が勘違いにより、追われる身となる。そこに現れたのは…ジャバと名高いかの
— トビーネット (@toby_net) 2019年4月25日
列車強盗の手下は、公開鍵と秘密鍵の区別がつかず、ジャバさんの大事なレンズに手を付けてしまう
— トビーネット (@toby_net) 2019年4月25日
「おかしら、例の鍵を手に入れやしたぜ」
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「てめえ、秘密鍵と公開鍵の区別もつかねえのか!」
急カーブで揺れる列車。
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「オワッ!てめえ、気をつけやがれ」
「すんませんお頭。ところで、今落ちたどちらが秘密鍵で?」
「ウッ、そ、それはだな、、先頭がアルファベットで始まる…」
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「アルファベットで始まる?」
「とにかく急ぐんだ。全部拾って、あとで認証できた方が秘密鍵だ」
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「さすがおかしら、さえてる」
「あのジャバとかいうパーソンは、巻いたか?」
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「天井で電線ひっかけ、真っ逆さまでさあ。この目で見やしたぜ」
「よし、今すぐダウンロー、いや試そう。秘密鍵だがを全部だせ」
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「へへ、待ってました。.pub って名前のやつ全部、拾ってきやしたぜ。」
「おまえ、他のはないってのか?」
「おい、この id_rsa は俺んのだ。気安く見るんじゃねえ。 他には、.pub の刻印が付いた鍵しか見当たらねえ」
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「…おっ、おかしらあ」
「どうした、秘密鍵が見つかったか?」
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「…おかしら、あ、あれ。ジャバのパーソンが…」
「どういう事だ。その目で、落ちるのを見たとか、じゃなかったのか!」
「おい、今すぐお前の id_rsa をだせ、いいから早く!」
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「ど、どういうことですかい?」
「こういうことだ!」
「待ってくだせえ! .pub ってナイフで刻んだって俺の秘密鍵のままだぜえ」
「やつあ、秘密鍵にしか見えない公開鍵を見たら、確認したくて仕方がねえはずだ。だが、それも例の鍵じゃねえ」
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「ひ、ひでえ〜。時間かせぎに使うなんてえ」
「おらよっ! 鍵だ!返すぜ」
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ジャバさんは、キャッチした鍵束のうち、一つが秘密鍵だったため確認し始めた。
「ジャバの旦那、さらばだ! オラさっさと引き上げるぜ」
「すまらかるぜ! お、おい、まて!」
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「俺の秘密鍵〜!返せよ、オラァ」
ジャバさんの前に無謀にも立ちはだかる、手下。それを止めに戻る列車強盗のおかしら。
「バカヤロー、何のためにッ!」
その後、保安官に引き渡され、締め上げられた強盗二人から得られた情報では、見つかったのは公開鍵とウエルノウンだけであった。 秘密鍵は見つからなかったのだ。
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ジャバさんが取り戻すはずだった秘密鍵はどこへ行ってしまったのか。困り果てたジャバさんの横では、肉の入ったボールを転がす、サーバルが一匹、何も知らず一人遊んでいるのであった。
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『ジャバさん 30億の旅』鍵屋へようこその章より抜粋
— トビーネット (@toby_net) 2019年4月25日