「ジャバ遺伝子を持つ者を探している。」
— 新しいデザインになりました (@toby_net) 2017年7月7日
そう言い放つ男に手には、紅く長細い直方体が握られていた。
「ここにもジャバ遺伝子はない。」
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男の手の中からはジャバジャバという音が漏れ、その機能はいかにも押下したジャバボタン(以下、ジャバボ)のようであった
この空間にはようはない、と言うかのように男はふり返り立ち去った。その姿には、先ほどまで押下していたはずのジャバボはなく、
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男が去ったあとには、ただ何もない白い空間があり、中央には、いやあたかも中央と知覚するしかない、あるべき場所にジャバボは浮かんでいた。
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ジャバボは誰かの押下を待つかのように静かにたたずみ、つや消しの紅いボディは、誰もいなくなった空間の守護者ともいえる荘厳さをかもしていた。
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しばらくののち、空間は消えた。消える直前、ただ白いはずの空間はさらなる分解能を持ち、白さを増していき、シャバボもろとも見えなくなった。
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白くもなく、紅くもなく、ただ市松模様のみがどこまでも広がり、空間のなさをユーザーに見せていた。
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ユーザー ーー すなわちジャバ遺伝子を求むる男である ーー は、すでにいずこかへと向かいつつあり、かの空間が市松模様に変わった状態を確認する者は居なくなっていた。
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『JA.VA.RA』の一節より抜粋
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