【社外秘】 ジャバ権料徴収事例集

ジャバラック管理下のツイート

— あなたとネットフリックス (@toby_net) February 11, 2017

「ジャバ権料の集金に来ました。」

深々と帽子をかぶり、作業服のいで立ちの人間はそう語った。片手で帽子を治しつつ、続けてこう言い放つ。

「ジャバ仙人さん、あなたは少なくとも1500アカウントに対して、ジャバツイートを行っていますね。実に、…発生します。」

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帽子は、もう片方の腕に巻き付けた端末をカタカタ鳴らせると、画面を見せた。

「このツイート、それとこれ、他にも少なくとも1400箇所、これらが我々の管理下にあるツイートです。」

黒い画面にグリーンの文字列がいくつか反転され、明滅している。

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そこで、ジャバ仙人が一喝。

「ジャバ」

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ズンとくる野太い声に、帽子は少したじろぎながらも、言い返す。

「聞き捨てなりませんね。不特定多数にジャバ音を聞かせる行為が、どのような…」

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帽子が威勢のいい声でまくし立てている中、後ろでは小声で呼び止める者がいた。

「…ちょっとまて、確認しろ。」
「いやしかし、この人間は… 」
「いいから照会しろ!」

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「ここここれは、ジ、ジャバ仙人…」

少し間をおいたあと、ネズミに掴まえられた猫のような顔をした帽子は、そのままの顔で仙人に向き合うと、こう言い放った。

「すんません。権利者の方でしたか。ご自由に御ツイートください」

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「すんませんじゃあないだろ、馬鹿タレ!」
怒号とともに帽子の後頭部に、ロケットパンチがさく裂。
パンチの破片が下駄箱に突き刺さり、中で割れたゲタが外に飛び出した。

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帽子の帽子は、まるで体の一部であるかのように微動だにせず、衝撃によって帽子の首だけが少し水平にずれていた。

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動作をとめ微動だにしない帽子の後方より、紅いスーツの人間が現れた。

「申し訳ございません。エージェントがご迷惑をおかけしました。何分まだ若いAIなもので、ご容赦を…」

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それを聞いたジャバ仙人は、まるで微動だにせず、いつものように言い放つと、部屋の奥へと引っ込んでいった。

「あなたとジャバ」

それが、紅いスーツの聞いた最後の言葉であった。

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『【社外秘】 ジャバ権料徴収事例集』より抜粋

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