駆けつけると、部屋の中央に横たわるようにジャバの死体があった。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
死後、数nsec といったところだろう。ジャバのその赤い体には押下された時のグラフィックが現れている。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
カシャリカシャリと捜査班によってスクリーンショットが撮られる音が聞こえる。ジャバの周りの様子は、即座にGif画像でもアップされた。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
妙なことだが、動くスクリーンキャストよりも停止したスクリーンショットが証拠に使われる。Gifでもいいじゃないかとわたしは思うのだが。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
我々がunzipするまで、この部屋は完全に密室であった。ジャバは無論、この部屋の属性や権限までまるごと tar で固めたかのような密室だ。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
密室はあとからでも作ろうと思えば作れる。なんの事はない。ジャバとの入出力が実質不可能でありさえすればいいのだ。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
ジャバが殺された前後で SHA-1 が一致するだけのことならば、造作もないことだろう。この部屋は、古典的な量子暗号すら使われていなかった。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
このジャバ殺人、後日わかったことは実に「くだらない」ことであった。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
当直の端末利用者が、深夜にジャバをダウンロードしたというのだ。当直の人間の服からは、アルコールの成分も検出された。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
なんの事はない。欲求に負けた人間が、勤務中にも関わらず深夜に酒を飲んでいたのだ。そのうつろなまま、近くにいたジャバをダウンロードボタンと間違えた。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
そして、当直の人間はジャバが動かなくなるまで、強く、強く、押下したのだった。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
事の発端は、開けてみれば大概はこんなものなのである。間違ってジャバが強く押された。
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14
全身を強く打ったボタンは死んだ。それだけのことだった。
『ジャバ失敗事例集』より
— 箱 (@toby_net) 2015, 6月 14