一斗缶は今日もゆく

一斗缶として生まれ変わったあなた!公園での事件、一部始終を目撃した。動けぬ間に、肉を詰められてしまう。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

一斗缶は今日もゆく。今度はガキだ!クソガキがせまり、枝切れで鳴らされるあなた!親は見て見ぬふりを決め込む。一斗缶の人権はどうなっているのだ!

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

公園で暴れる者いるぞ! 人間か?否!サルか? 否!バイオゴリラだ!
丸太のような腕!あなたはペシャンコの鉄くずに成り果てた。

「キョウド、ザイシツ、カンケイナイ。ジャングル、ジョウブナヤツ、イキノコル」

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

朝一番。一斗缶は今日も鳴る。ベコッ元気に響く、その音は季節の変わり目を告げるのであった。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

肉を詰めのまま放置されたあなたを救ったのは、フードの人間だった。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

フードは、肉を捨て、綺麗にあなたを磨き、紅いペンキで塗装した。形を整えられたあなたはまるで、ジャバボタンを彷彿とさせた。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

フードは「無料ジャバのダウンロード」と描いた。力強いその白い標語はあなたを生まれ変わらせた。これぞ、画竜点睛である。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

あなたは、単なる一斗缶ではない。ジャバ一斗缶である。押すと、べコンとなるボディは、ボタンとしての機能はイマイチだが、モニュメントとしては十分だ。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

一年後、公園の中心に置かれたあなたは密かな名所となっていた。一部の好自家には、パワースポットとして知られている。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

パシャ、パシャ。ピロリン、ピロリン。あなたは今日も自撮りの背景だ。背景とはいえ、あなたを撮る旅行者がいることを噛み締めていたのであった。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

あなたには、もう肉を詰められることはない。無論、コンクリートもだ。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

たまに、犬にかけられる液体はご愛嬌。そう考えるだけで、あなたは震え、べコンとその紅いボディを鳴らすのであった。

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

『一斗缶は今日もゆく』より抜粋

— 臨時工場勤務 (@toby_net) May 12, 2016

ジャバ名作劇場 に戻る