ある日、おじいさんが山へ山菜を取り入っていた時のことでした。獣道にしゃがみこみ、泣いている人間がいたのです。
— 脳が自由 (@toby_net) 2015, 5月 30
おじいさんは「山菜より美味いものにありつけるかも」と思い、号泣している人間に話しかけることにしました。
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「こんな山の中で、どうしたのですか。話くらいなら聞きますよ」おじいさんが声をかけるために近づいてみると、スーツを着た女性がうずくまっていたのです。
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泣いていた女性をよく見るとスーツにはシワがよっており、髪はべったりとしているようでした。
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「大丈夫ですか、話してみてください」おじいさんがもう一度声をかけると、女性が口を開きました。「銀行の統合……」「ジャバが」
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おじいさんは、ギョッとしました。ですがそのことを顔に出さず、見えないように携帯を取り出します。
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そのまま、おじいさんは女性から見えない側の耳に携帯を当て、空に向かって話しながら、一目散に下山しました。
それ以来、泣いた女性の姿をみた村人はいません。おしまい。
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『ジャバ昔ばなし ー ぎんこうのとうごう』より
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