ジャバゲーム

ご応募頂いた支援金に関しまして、お届けすることをお約束いたします。 しかしながら、「すべての方が受け取ることが出来ない」ということを、あらかじめお伝えしなくてはなりません。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

大半の方は受け取ることが可能ですが、一人だけ、たった一人だけ、受け取ることが出来ません。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

うんわるく一人の方だけは、残りすべての応募者の支援金をご負担いただく形となっております。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

ご注意いただきたい事は、体調不良などにより、受け取ることが出来ない方の支援金は消失することはありません。ひとりを除く、残りの応募者にきん等に配分いたします。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

当メールは、支援金の応募者すべての方に一斉送信にてお送りいたしております。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

なお、今回の規約変更に関して、お詫びの品をお送りいたしました。お口に合うか分かりませんが、当社開発の最新のデバイスとなっております。お納めください。

当所のご期待に添えず、まことに申し訳ありません。

ジャバゲーム運営社より

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

あなたは、すぐさま時代おくれのプロトコルにて受信したメッセージを印刷すると、データを消し去った。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

印刷完了を待たず、すべてを記憶していたメモリ記憶媒体を端末から、ジャバっと引き抜くと電子レンジへと放り込む。そのとき、玄関のチャイムが鳴った。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

ドアモニタを確認したときには誰もいなかった。モニタをログに切り替えると、配達ボックスの投函時刻がちょうどあなたがメールを読んでいたころを指していた。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

背後のレンジからはバシシと火花が飛び散り、チンッとデータが藻くずとなった音がした

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

ドアモニタを切り替え、エントランス
に誰もいないことを確認したあなたは、宅配ボックスに向かうと、そのスペースに収まるアタッシュケースを発見した。 大きさの割には軽く、鍵はかかっていなかった。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

ケースを開けた中には、ちょうど片腕をすっぽりと覆うグローブが、いや「籠手(こて)」が入っていた。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

そして、それは外見のメタリックな印象と似合わず、あなたの腕にフィットとし、片手の動きを阻害しないほどのしなやかさを備えていた。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

閉めたケースには「GAUNTLET」の文字列が刻印されている。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

再度のドアチャイム。まさか、手違いでした、なんてことは無いだろうかと不安になりながらも、ドタモニタを覗いた。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

ドアモニタには、日常生活では対峙したくないほど大柄の、奇妙な片腕をした者が写っていた。このような時は、冷や汗が出て、喉がなる。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

今回だけは、冷や汗はでず、喉はならす暇もなかった。ドアモニタの者を見たあなたは、次には爆音と勢いよく飛ばされたドアに押しつぶされた。もう少し気がつくのが遅ければ、頭部を打ち付け気を失うところであった。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

煙が残る中、どうどうと押し入った大柄の男は、届いたアタッシュケースを開けはじめた。何もないことを確認すると、今度はあなたを探し始めたのであった。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

『ジャバゲーム』 (原題『 The Gauntlet 』) より抜粋。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

すでにベランダから飛び降りていたあなたは、かろやかに、駐車場のボンネットを凹ませ着地。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

ビービーッとなり響く車の盗難防止音。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

あなたは、その場から離れると、印刷してあったメールをポケットから取りだす。 紙は、CC(一斉送信)されたもののリストであった。改行もなく、ぎっしりと埋まっていた。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

目立たぬよう、あなたは夜間ライトのない街路にて落ち着いた。虫の声が聞こえる。 ヴヴヴ… 端末が震えた。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

メールが届いた。いや、今度はメールではなく、携帯の端末のアプリであった。支援金の応募者すべてが放り込まれた「グループ」宛に届いたのだ。

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

「グループ」を開い頃、「状況」と名乗るアカウントから、いくつもメッセージ発せられていた後だった。

..oO( 剤堂たつや、リタイア )
..oO( 水瀬河こうじ、リタイア )
..oO( ジャバ仙人、漫遊)
 :
一斉送信にて明かされた中に、それらの名前はたしかにあったのであった(ジャバ仙人以外は

— トビーネット (@toby_net) November 17, 2019

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