日本でただ一人、ジャバ・ライセンスを持つ男!!
— 小学ニ年生 別冊付録 (@toby_net) February 2, 2018
「いい話 https〜」。今日も不可解なリンクが流れてきた。
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プールにはいい話、警報が鳴りひびく。
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水しぶきを上げ、フロリナートから液浸を終えたばかりの男が急ぎ着替えをはじめていた。その男、マーダーライセンス・ジャバと言う。
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液浸を終えたばかりの男は、国会議事堂の地下へと向かった。顔パスだ。その顔は先程の男の顔とはいささか異なっていた。
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エレベータに向かう男。中に入り、すばやく一連のボタンを連続押下する。秘密シーケンスだ。
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「上へ参ります」
「次は1024階です。」
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予算削減のため、音声案内を減らされたエレベータの中で、男は自ら案内を発していた。
1024階では別の男が乗ってきた。二人は顔を見合わせると、互いの仮面(肌)を剥がす。ニヤリとする男二人。さらに、加速し、上昇し続けるエレベータ。
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(ポーン)
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「最上階、月面です」
ジャバの独り言を気に求めず、開いたドアには裸の男二人が並んでいた。
エレベータの先で宇宙服に着替える二人。圧の調整を行った部屋を出る。先の空間での動きは、まるで、ゆっくりとスローモーな動きに見えた。
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二人のゆく先には、一人の宇宙服が待っていた。
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「(ここならば聞かれることはない)」
無線越しのくぐもった声だ。
「…」「…」「…」声を発さない三人。
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最初の一人はキャシャな細身。ピタッとした宇宙服が、体のラインを強調する。液浸をものともしない肉体とは思えない。
もう一人は中肉中背、30代から40代、もしくはそれ以降の中年に見えた。
月面で先に待っていた宇宙服は、中にフードが見え隠れする。
「(今回の【いい話】はこれだ。)」
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フードをかぶった宇宙服は、端末越しにタイムラインをたどると、リンク先のニュースサイトを開いた。
「(いい話…)」 中年宇宙服が返す。
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「(そう思わないか?)」続けて中年が、ジャバに話を振る。
「(興味はない…)」
「(いい話があれば、ジャバする。ただそれだけだ。)」
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シャキッと背筋を伸ばしたジャバは、その細身からは想像の付かない長身であった。
「…」「…」無言でうなづく宇宙服ら。
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すぐさま、ジャバは月面のエレベータへ向かう。現場(いい話)でジャバするためだった。
『無料ライセンス・ジャバ 番外編』より抜粋
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