ファミレス、隣の席から聞こえた話

その1

「『グール宅急便』という、シミュレーションゲームがあってですね。ゲーム内でお金を稼いで、相手にグール、を送りつけるんです。」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「グールを送りつけるゲームなんて、許されるんですか。イスラム教徒に怒られないのでしょうか」 「あえて言うならば、政治的過敏症」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「こう考えたらどうでしょう。イスラムの文脈から拝借したものではなく、RPGのグールからヒントを得たもの。つまり、ゾンビの…」 「より差別的であり、ハイチの文化的な背景を考慮しておらず…」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「グールでもゾンビでも何でもいいんですが、とにかくグールを出したいんです。ゴロがいいので」 「では、無料ジャバからダウンロードされしモノという解釈はどうでしょうか」 「!?」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「無料ダウンロード可能なものの中には、ジャバとして動作せず、ユーザーの意図せずデバイスを操作してしまうランタイムが存在する。それを我々は『グール』と読んでいる」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「…大丈夫ですか?医者に連れていく準備をするには、15分ほどあれば十分ですが」 「『とにかくグールを出したい』と言ったのは、あなたの方ですよ。私は無い頭を生成して…」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「冗談なのか、医者へ連れていけばいいのか判断に苦しみます。それはそれとして、『グール』と呼ばれるウィルスを買って、送りつけるゲームと考えると、時代に合っているかもしれませんね。」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「非合法なテイストのゲームだね」 「それこそ、RPGでいうゾンビを送りつける方がよほど非合法感があります。」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「創作物とはいえ、現実的だと非合法感が出るのかもしれない」 「『リアリティ』と『現実的』なのは違うというやつですか」 「ゾンビは『リアリティ』なのかなあ…」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「計算機向けのウィルスを送る内容は『リアリティ』が、あるかもしれないが同時に『現実的』すぎるわけだ」 「計算機の話だったんですか」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「お腹が空いたので、続きは注文の後でしませんか」 「まずは、ドリンクバーだな。コーラにメロンソーダを入れて『グール』と呼ぼう。それで乾杯だ」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「今日はセンパイのおごりですよね」 「おいおい、どうしたんだ。いつもは個々に払っているじゃないか。ぼくは領収書も欲しいし」 「医者の治療費代が浮いたと思えば安いもんです。領収書は二人分にしておけばいい」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

「ひどいやつだ。そんなこと言うなら、今日は『グール』カフェで、お開きだ」 「…センパイ、まずは注文を」

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

あなたは、コウハイに急かされ、グッと呼び鈴のボタンを押し込んだ。 店員の代わりに来たのは、死肉を喰らう生物であった。あなたは、ボタンに『無料グールのダウンロード』とテープ印字されていることに気がついていなかったのだ。

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

『ファミレス、隣の席から聞こえた話』その1

— 一億抜刀 (@toby_net) January 3, 2016

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