「奇遇ですね、私も機械の体なんです。」
— 超越的小学二年生 (@toby_net) December 10, 2017
そういうと、女は手首の関節をあらぬ方向に折り曲げ、俺のタバコに火をつけた。
女の外れた関節からは、着火口が伸びていた。タバコをつけるには丁度の火加減だ。
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「それなら、こちらもタバコを吸うそぶりも必要ないな」と思ったが、口に出さずにいた。
「いつもはどんな銘柄を?」女は問う。目の前にタバコがありながら、実に不自然な会話であったが、どうやらこちらの意図はバレていたようだ。
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俺は手馴れた手つきで、内ポケットからジャバボタンをとりだした。この日のために練習したカイがあった。うちのモデルは内ポケットに入れるには、少し大きい。スムーズに取り出すために、内ポケットは拡張スロットを増設してある。
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「それ… 初期型の…ですね。ジャバボの」
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「よくわかるね。」
俺は動揺した。表情をかえてこそいないつもりだが、
ジャバボという略称、ステンシル加工のジャバ文字列。
一瞬で女がモデルを見抜いたことに、俺は動揺していたのだ。
いつの間にか、タバコは灰皿の上にあった。
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女が気を利かせて消してくれていたのか、俺が自分で置いたのかは覚えていない。
なにせ、目の前に、ジャバボタンを知るものがいる事など、滅多にないのだ。
俺は、夢中になっていた。
ジャバ、ジャバ。とつぜん、鳴り出した音に、俺は我に返った。
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女の胸元からだった。
「私のも初期型なんです。どうぞ、触ってみてください。」
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この女、自分で何をやっているのか分かっているのだろうか。
女が胸元から取り出した、ジャバボタンは蒼く輝いていた。
初期型のジャバボに蒼いモデルがあるはずはなかった。
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おそらく、自ら塗装したか、もしくは女が嘘をついているかのどちらかだ。