「地下n階から飛び降ります」
通報を聞きつけすぐさま警官が駆けつける。目に映るはジャバとは思えぬ姿。
— 一億抜刀 (@toby_net) December 19, 2015
「あなたのせいです。」
ドアを叩く音が聞こえぬのか、ジャバは顔も上げずに投稿している。
— 一億抜刀 (@toby_net) December 19, 2015
駆けつけた警官が、タイムラインを確認。どうやらその女は、ジャバをダウンロードしてしまったというのだ。
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「とにかく開けなさい」
ドアを蹴りあけ躍り込んだ警官のドアは女に直撃。怒った女は、一部始終を投稿し始めた。
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まずい、このままでは取り返しがつかない事になる、そう思った警官は顔を覆うと、一旦外へと走り出した。
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「待てー」
パシャーッ、パシャーッ、ピロリン。パシャ、ピロリン。
なんという恐ろしい光景であろうか。逃げる警官。追う女。その様子は、電子音とともにシェアされた。
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すると、みる間に警官のタイムラインに、何千者化け物たちがせまりくるではありませんか。
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曲がりくねった階段を登りながら、警官は「ネコ かわいい」と画像検索すると、すぐさまタイムラインに放り投げた。
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いくぶんかの亡者たちはネコに引き寄せられるも、まだまだ警官を執拗に狙う。
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「よくも、私に恥をかかせたなーっ!」
駆けつけるべきではなかったが公務なので仕方がない。丁度警ら中、近くを通ったのが、警官のサダメだったのだ。
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もう少しで光が見える。警官は、秘蔵のあざらし画像を三連、投じた。とっておきであった。
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あざらし画像を保存しながらも、亡者たちは攻め立てる。
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地上へのドアを開けた時には、端末の震えは止まっていた。あまりの通知の多さに電池が切れたのだ。
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太陽の光を浴び、女がそれ以上追ってこないことを確認した警官は、安堵した。
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「あなたとは別れます」
今日、会ったとは思えない言葉が女からは飛び出していた。
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「あなたがこのようなことをするのであれば、私は一日に1000人のフォロワーをけしかけましょう」
「ええ…ハイ、こちらスカラです。至急応援をお願いします。ジャバ通り、紅いボタンのある家です」
「了解」
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このようなことが発端になり、警官には日がな1000人の亡者が端末を揺らすようになったのです。そのうち、警官は通知を切ると、別アカウントに移ったのでした。
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『ジャバナギとジャバナミ』「あなたの国」より
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