アライド電気のドリル療法

無能な自分でもジャバできるでしょ、やってしまいがち

— [編集済み] (@toby_net) September 27, 2017

自分ですらジャバジャバ言えるんだからという思考のパターンがあるやも知れぬ

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「自信」なる概念を、一度心から取り去らねばという思いがある。「自信の無さ」は一度感ずると付きまとうものである。その解消を胸に、何年も切磋琢磨したとしよう。そして、体よく自信を得ることもある。さすれば今度は得た自信を維持せねばならぬ。

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結果的に、自信を得たときには気にする必要もない人もいるだろう。それは結構なことである。悪い事などない

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「自信」なるものに余計なコストを払うより、今目の前に解決できる困り事はないだろうか。

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例えば、あなたが炊事洗濯をしていたとしよう。これは一人暮らしなどであれば、大概は自ら行うものであろう。継続的にである。

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その継続的な炊事洗濯というタスクに追加で、「自信の維持」が必要だとしたらどうだろう。

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兄ちゃんよ、悪いことは言わねえ。その自信とかいうやつぁ、さっさと捨てちまいな。ここじゃあ、猫の餌にもならねえ。

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七三に分けたモヒカンは、こちらを見ずに独り言ちた。カウンター席で一人、背中を丸めテカリのあるスーツは、その髪型と相まって異様な雰囲気を醸し出している。モヒカンがグラスを振るたびにカラカラとなっていた。

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モヒカン頭は、グワッとグラスを天井まで掲げた。すかさず、逆さまにすると、一滴もこぼさす中身を飲み干した。

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飲み干したグラスを乱暴にカウンタに下ろすと、モヒカンは丸く紅いボタンを連続押下した。

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一瞬、カウンター上のボタンからはジャバジャバと聞こえてきたが、次には億から現れたいかついエプロン姿に目を奪われた。「アライド電気」なる生地表面の文字列が店の雰囲気を台無しにしていた。

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いかついエプロンは手に持っていた電動ドリルをゴトリと置くと、レジの前で高速フリックをはじめた。

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最近流行りのフリック入力方式を採用したレジ端末である。巨漢に似合わず、器用にテンキーをこねくり回すと、別の箱からは請求書が印刷されていた。

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モヒカンは、わりぃツケだとか、こちらの方を見ては、あいつにツケといてくれとなどと発していたが、やがて、巨漢に胸ぐらを掴まれると地に足がつかなくなっていた。

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暴れるモヒカンに、巨漢が電動ドリルを構えたところで、私は店を出た。悲鳴が小さくなる頃には、当初の悩みが何なのか思い出せなくなっていた。

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『アライド電気のドリル療法』より抜粋

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