「…その…お兄さん…粘膜、焼いてみませんか?」(ニコッ)
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とつぜん看護師姿の人間に呼び止められた。金曜夜の駅前には怪しげなビジネスが飛び交う。
粘膜?聞いたことがある。鼻炎に聞くとか。
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「粘膜? スッキリするようになるんですか!?」
思わず声が出てしまった。
さえぎるように看護師が口を開く。
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「粘膜を焼くとですね、アレルギー鼻炎に効果がありまして。詳細は、検索してもらえるといいんですが…」
看護師姿はとつぜんに早口でまくし立てた。怖くなった私は、緊張で、ジャケットに入れていた手を握りしめていた。
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“あなたとジャバッ”
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しまった。ジャケットのジャバボタンを押下してしまった。
看護師姿の早口が一瞬止まった。
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「…今すぐダウンロード」
次に私が聞いた言葉は意外なフレーズであった。
冷や汗が出た。状況がつかめなかった私は、振り返ると早足で立ち去った。途中、「ジャバッ、私も知っ」と背後から聞こえてきたような気がした。
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数ヶ月ののち、新しい都市計画が始まった。その後、駅前を見たものはいない。
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『粘膜と駅前とジャバ』より抜粋
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